買換えに役立つ情報「①買い先行型」 | 新宿区・千代田区・文京区の不動産のことなら神楽坂上不動産

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不動産コラム

  • 「住換え」に役立つ情報「①買い先行型」

    こんにちは。店長の平野です。
    先日「マイホームの住み換え(買換え)でもう1年以上悩んでいる」という方から御相談をお受けし、詳細なご説明をさせて頂いたところ「とてもスッキリした!」とお喜び頂いたので、コラムでも書きたいと思います。ここ数年は不動産価格も上昇していることから、買ってから3~4年での「短期での買換え希望」なども増えたせいか、買換えに関するご相談はとても増えています。



    ■「買い先行」「売り先行」「同時進行」どれが良いの?
    マイホームを買い換える際は「売却」と「購入」の2つの作業をすることになりますが、この「順番・進め方」について良く分からない。または「上手くいかない」というケースが多いようです。
    順序としては3つのパターンがあります。

    ①住み換え先を先に購入して、引っ越してから売却する(買い先行)
    ②先に売却をしてから、いったん賃貸に移るなどして、住み換え先を探し始める(売り先行)
    ③売却しながら購入物件も探し、タイミングを合わせて同日決済をする(同時進行)

    このうち、どれが良いか?は一概には言えず「ご自身の状況や心情」「予算・資金の背景」「所有物件の特徴」などによって、正解は異なるのですが、それでは参考にならないので、それぞれのパターンについてメリット・デメリット、注意点や「使えるノウハウ・ローンアレンジ」などを紹介していきましょう。



    ■「①買い先行」とは?
    住みたい物件を先に探し、購入の契約を先に済ませ(または引っ越してから)、自宅を売却するというパターンです。ここで「現在の自宅にもローンがあるから、我が家はその順序は無理」と思ってしまう方もいるかも知れませんが、多くの方は「買い先行」で住み換える場合、「買い換え専用ローン」を活用しています。
    各銀行とも定期的に新規ローン商品を出したり、審査規定が変わったりしますので、ここでは銀行名は特定しませんが、令和元年5月時点で利用できる「買い換え用ローン」は概ね以下のような内容です。

    ●住み替えに便利な買い替え専用ローン
    A)ローン審査時に「自宅は売却予定」と申請すると、現在の「ローン返済や残債」は審査の計算に算入せず、いくらまで借りれるか審査してくれます。利用可能額は概ね税込年収の8倍程度で、年収800万円の方なら6400万円まで、年収1200万円の方なら9600万円ぐらいまでは借りられる計算です。金利も一般的な住宅ローンと変わらず「店頭金利から▲1.95%優遇」で、0.525%(変動)です。融資の際には「融資実行から6か月以内に自宅を売却すること」という条件が付きます。ですから自宅の売却について売れるかどうか不安・・という方にはオススメできないローンです。逆に「ご自身がマイホームを買った時の金額」と「売却査定額(見込み額)」「ローン残債」がバランスよく、ご自身も「その金額で売れるなら満足だし、売れそうだと感じる(不安はない)」という方には、とても使い勝手が良いと言えます。ただし、住み換えてから自宅が売れるまでの間はダブルローンの返済となりますので、預貯金や月々支払いにあまり余裕が無い場合には、少し慎重に検討する必要があります。

    B)上記と同様、「売却する」前提で審査をすると、現在の住宅ローンは審査時の計算に入れず、尚且つ売れた時に「内入れ出来る金額(頭金額)」まで計算に算入してくれ、かつ売却期限も1年間、さらには「売れるまでの間、新規貸し出しローンの返済は金利のみ」という銀行もあります。このローンはここ3~4年、とても人気が高いです。例えば税込年収900万円の人なら新規で約7200万円まで借入可能で、銀行が査定した「自宅の売却可能額」が6000万円、そのローン残債は4500万円などという場合には、売却できた時に手元に残る約1300万円(仲介手数料差引後)のうち、1000万円は買換えの頭金で入れますと言えば、上記の7200万円にプラス1000万円で8200万円まで借りられる計算になります。売却できるまでの間は8200万円の借入の場合、金利のみの返済なら月々の支払いは39,000円程度です(金利0.575%計算)。こういうローン商品も「低金利時代」ならではの商品と言えます。
    この場合、売却期限は1年間ですが、一般的にどんな不動産でも「売れる金額なら半年程度」で売れます。半年で売れない場合は残念ながら売出し価格がちょっと欲張り過ぎと言わざるを得ません。1年あれば「期限のために安売りしてしまった」ということにはならないと言えるでしょう。こういう「買い換え専用ローン」もあります。

    上記のA)B)でも資金計画が成り立たないという場合には「フラット35利用」からの「1年後借り換え」というパターンが良いかも知れません。フラット35は「自宅売却予定」の場合は、上記と同様に自宅のローン負担は計算に算入しません。金利は全期間固定で金利1.29%(2019年5月現在)ですが、ローン利用額は民間銀行よりも大きくなり、税込年収の約9.8倍まで融資してくれます。税込年収800万円の人なら7,840万円までは「売却する前」に融資してくれるという計算です。

    上記のようないくつかのローンのうち、どの銀行でいくら借りるのが良いかは、ご本人の状況・ニーズ・所有物件によって変わりますが、当社では提携ローンの強みを活用し、ご本人に一番合った有利なローンアレンジを提案しています。

    さて、何も「余裕のある方」ばかりが、買い先行で住み替えを実現なさっているわけではなく、多くの方は買い換え用ローンを上手く活用して「住み替え」をしていることがご理解できたかと思いますが、この「買い先行」についてメリット・デメリット・補足説明を致しましょう。



    ■「買い先行」のメリット
    ・自宅の売却を「後でじっくり」に出来るので、自宅を安売りすることになりにくい。
    ・住み換えたいタイミングで、気に入った物件に住み換えやすい。
    ・空室での売却になるので、居住中売却よりは高く売れるケースも。
    ・売却の「見学立ち合い(在宅)」などの手間・煩わしさが無い。
    買い先行のメリットは概ねこんなところです。まず買換えを「同時進行」「売り先行」で進める場合には、自宅売却は「居住中」での売却となりますから、毎週、購入検討者が見学にくるたびに部屋を掃除して、立ち会わなければなりません。これが煩わしいという方も少なくありません。買い先行の場合、自宅の売却は、引っ越して空室になってから開始できますので、居住中よりも高く売れるケースも多いですし、売却期限が6か月または1年間と制限があるとはいえ、その期間は一般的な不動産売却(平均1~3カ月)からすると大分余裕のある期間ですから、「実際の相場」よりも安く売るハメになるという心配は少ないと言えます。



    ■「買い先行」のデメリット
    ・万が一の「売れない不安」「売れないリスク」があります。
    ・売れるまでの間ダブルローンになることも(家計負担/使うローンによる)
    買い先行の場合のデメリット・不安は上記2点です。ですから「自宅が売れるか不安」「売りたい金額が業者の査定よりもだいぶ高い金額」という場合には、買い先行はオススメできません。



    ■「買い先行」についての補足説明
    あまり良くない話ですが、昔から不動産業者はこの「買い先行」を強く薦めるケースが多く、その理由も「早く成約になり手数料が早く入るから。売却も、売らざるを得ない状況になるので安く売らせる(ラクできる)ことが出来るから」が『本音』というケースも多かったです。昨今はこのような理由ではなく「エリアによっては物件が足りていない状況で、本当に売却の心配は少ないから」という理由や「購入も売却も、タイミングを合わせようとすると、どちらか一方は妥協した選択になる場合が多いから」と言う理由で、良かれと思って提案するケースが殆どですが、今でも昔のような「業者の都合、営業マンの営業成績のため」に買い先行を提案するケースはありますので、このパターンには注意が必要です。(結構少なくありません)

    どのように注意すれば良いかというと「自宅が売れる金額を正しく把握する・調査する。」これに尽きます!今はインターネットで「周辺物件の成約価格」や「売出し情報」など沢山のデータを調べることができるようになりましたし、査定を依頼した業者に「当該マンションの直近の成約事例(データ)を見せて欲しい」と言えば、殆どの業者は、同じマンション内の実際に成約した金額を開示してくれます。ここで大事なのは、それらの調査により算出された金額よりも5%程は「低め」に堅実に見ておくという姿勢です。
    実際に売却を開始する際は、査定額よりも高い金額で出した方が良いでしょうし、勿論それで売れる可能性もあります。1円でも高く売りたいのは皆様一緒です。ただし、買換えのローンを利用して「買い換え」をする場合には、あくまでも堅実に「この金額なら確実に売れる」と確信できる金額、それと「普通ならこの金額かな」という一般査定の金額、最後に「できればこれぐらいで売れたら嬉しい」という期待値の金額の3つの売却想定額をご自身で明確に把握し、その上で「私の場合は、買い先行でも、大きなリスクはないな。」と思えたら、買い先行での住み替えをなさって良いと思います。逆に「当社ならこの金額で売れます!」と提案された金額に疑問や不安を抱く場合には、再度慎重に「売れそうな金額」を検証してみると良いでしょう。

    また、これは一概には断言できませんが、昨今不動産市場では「都心ほど売れ行きが良く、物件が足りない」「郊外は少し苦戦する」という傾向が顕著になってきています。(勿論、例外もあります)

    査定通りの金額(又は査定よりも少し上)で売れやすい順に並べると・・・
    ①都心の中古マンション(55㎡以上)
    ②都心の中古一戸建て(75㎡以上)
    ③都心の中古マンション(55㎡未満)
    ④都心の中古一戸建て(70㎡未満)
    ⑤郊外のマンション(70㎡以上)
    ⑥郊外のマンション(70㎡未満)
    ⑦郊外の中古一戸建て
    また、「駅から遠いマンション」や「築年数の古い戸建」は特に苦戦するケースがあります。
    ※例外はありますし、物件による「個別差」もございます。

    ご自身の売却物件が、今、不動産市場でどれだけ需要があるか?も成約までの「期間」と密接な関係にあります。「欲しい」という絶対数が多ければ、相場より高くても売出から1週間で2~3件の「買付」が入ることもあり、「欲しい」という方の絶対数が少なければ査定より少し安くても、なかなか買い手が付かない場合もあります。

    ご自身のマイホームが「いくらで売れるか」「どれだけニーズがあるか」知りたい、よくわからないという方は是非当社にご相談下さい。当社ではご相談者様の御機嫌を取ることを優先したり、売却受託を得る目的で「実際と違うことを伝える(サービストーク)」ことは一切せず、後々まで「あの不動産屋さんは、いつも本当のことを言ってくれた」と感じて頂くことを業務の最優先課題にしておりますので、お客様が「判断」を間違ってしまわないご回答・ご提案を提供致します。

    次のコラムで「売り先行」についてご説明致しましょう。


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売却査定