「間取りズラし」という探し方のコツ | 新宿区・千代田区・文京区の不動産のことなら神楽坂上不動産
不動産コラム
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「間取りズラし」という物件探しテクニック
こんにちは。店長の平野です!
今日は「なかなか良い物件に出会えない」「一歩遅く、良いと思った物件を買いそびれた(売れてしまった)ことがある」という方の為に、ちょっとした物件探しのコツ(工夫)を書きます。
◉「間取りズラし」という探し方
例えば、ご自身が70㎡前後の3LDKを探している場合、インターネットで物件検索をする時に「検索条件」の入力欄の「間取り」の項目はチェック(特定)せずに、面積を「65㎡以上」とし、あとは「価格」の欄だけをご自身の上限予算より10%ほど高い金額で入力(選択)して検索してみると、これまでに出会えなかった物件と出会える場合がよくあります。「えっ、ただ少し検索の幅を広げるだけじゃない?」と感じるかも知れませんが、大事なのはここからです。
◉どういう物件に出会えるのか?
そうすると、例えば72㎡の2LDKなどが出てきたりします。その間取りを見て「なんだ2LDKか」と見送ってしまうのではなく、リフォームで3LDKに変更できないか見てみると、意外と良い3LDKの間取りに変更できる物件も少なくありません。エリアや物件にもよりますが、マンションの新築分譲時には72㎡という面積の場合、元々は3LDKのプランで設計されていて「2LDKへの間取り変更プラン」を用意している物件も多く、本来は3LDKの設計プランが入っていた部屋なので壁を1枚たてるだけで、使い勝手の良い3LDKになることがあります。この2LDKを3LDKに変更する工事は、住戸全体のフローリングの貼り換えまで計算に入れても約80~110万円で実施可能です。
◉少しお得なマイホーム購入につながることも
リフォーム費用の分、割高になってしまうと感じる人もいるかも知れませんが、実はそうとも言い切れず、72~75㎡の2LDKなどは、面積に対して少し相場よりも割安で買えたりするケースも多いのです。これは知っておくと良いポイントです。
2LDKの場合、一般的(平均的)な広さは53㎡~65㎡ぐらいですから、65㎡を超える広さの「2LDK」は、2LDKの物件を探している人からすると「魅力的ではあるが、そこまでは要らない(価格が高い)」と判断されることが多いので、売却に苦戦している物件もあります。いわば「ちょっと贅沢すぎて売れない」という状態です。
実例としても、
私が新築デベロッパーに居た時、新規売出マンションで、同じ広さ(71㎡台)の2LDKと3LDKが隣同志に並んでいる物件があり、3LDKタイプはモデルルームオープンから早々に完売し、2LDKタイプはマンション完成まで半分ぐらい売れ残り、販売に苦戦したこともあります。同じ広さでも間取りの違いで売れ行きが違う事例でした。その時は「3LDKにプラン変更可!(無償)」というサービス条件を付けて完売を目指すか?値引き販売をするか?という会議の結果、少し値引きサービス(価格改定)を実施し完売させた記憶があります。これは世田谷区の桜新町の物件の話ですが、71㎡の2LDKは少々広すぎた(贅沢過ぎた)という実例です。
また別の事例では、中央区勝どきで「都市型コンパクトマンション(1LDK)」の新規分譲を担当した際に、総戸数44戸が全て「お洒落な1LDK」だったのですが、38~42㎡の間取りは早々に完売し、48㎡のタイプだけは売れ残り、完成後半年ぐらいでようやく完売したケースもあります。モデルルームにお越しになられた方は、部屋を見ると48㎡の部屋には「これぐらいあったら良いですね」と仰って頂くのですが、最終的には「でも高い。そこまでは広くなくて良いかな」と38~42㎡のタイプをお選びになったという事例もあります。これも「贅沢過ぎる広さ」は結構苦戦するという例でした。
◉不動産会社の「仕入買取」でも使われている手法。
50㎡台の2LDKを探している場合は、53~58㎡位の「1LDK」の物件の中に、70㎡前後の3LDKを探している場合は、66~75㎡位の「2LDK」の物件の中に、思わぬ掘り出し物(少し割安)が見つかる事があります。
これは当社(私)が「買取仕入れ物件」を探す際も、使っている手法(コツ)の一つです。間取りに対して面積が大きすぎる(贅沢過ぎる)場合、往々にして売却期間が長引き、徐々に価格が下がってきたり、指値(値引き)の買付を入れると価格交渉に応じて頂けるケースも少なくなく、そうやって仕入れた物件に間取り変更のリフォーム工事を実施して再販する事業などにも、この手法を活用しています。
見学すると誰もが「欲しい。住みたい。住みやすそう!」と感じる『よく出来上がった部屋』は競争率も高く、また少し割高でも成約してしまいます。「ひと手間と多少のリフォーム費用」をかけることで理想の住まいになる「素材」を探すイメージです。
◉「予算アップの物件検索」を組み合わせてイチ早く情報をキャッチする!
冒頭に記載した「予算よりも1割程度高い金額で検索」をするのは、こういう物件は売り出された金額では売れずに徐々に下がってくる場合もあるからです。価格が十分魅力的な水準に下がってきてからその物件を発見したのでは、他の購入希望者と早い者勝ちの競争になってしまい、物件を見学してから「じっくりと検討・比較」する余裕が持てませんし、誰かに買われてしまう可能性が高くなります。最初に少し高い価格で売り出された時に発見し、ムダだと思わずに見学しておけば、周辺環境や物件のことをゆっくりと調べることもできますし、価格が下がったタイミングで他の人より一歩早く「買付」を入れる事も出来るわけです。
これまでにも当社で物件探しをサポートさせて頂いたお客様の中には、この「間取りズラし」「予算アップでの物件検索」で、理想のマイホームを手に入れた方も数多くいらっしゃいます。
昨今、史上最低金利の影響で、都心では「買いたい人」の数が過去にないほど多く、都心のどのエリアでも「物件が足りていない状況」となっていますので、割安な物件はほぼ存在しないのは確かです。でも「そのままの状態」では高く売れない物件に「買ってから自分でひと手間加える事」で、ご自身にとっての「掘り出し物件」を作り出すことが出来る場合もあります。
これまでに「なかなか良い物件に出会えていない」「良いと思ったら一歩遅かった」という方は、今後の物件探しに、これらのコツを少し加えてみて頂くと物件探しの幅が広がるかも知れません。是非一度試してみて下さい!
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